【宅建】連帯保証

■保証債務との共通点

・契約当事者は、債権者と連帯保証人である!

・連帯保証も保証の一種であり、
附従性、随伴性が認められる!

つまり、主たる債務者に生じた事由は、すべて連帯保証人にも効力を及ぼします。
詳しくは前回の保証債務の附従性、随伴性の説明をご覧ください。

また他に、連帯保証人となる資格についても、保証人の場合と同様です。



■保証債務との相違点

・連帯保証は補充性を有せず、
連帯保証人は催告・検索の抗弁権をもたない

これはすごく重要です。主たる債務者と連帯保証人は同列ということです。

つまり、主たる債務者が期限にお金を返さない場合、債権者はただちに連帯保証人に請求
することができ、さらに、主たる債務者の資力に関係なく連帯保証人の財産に強制執行する
ことができるというわけです。


・連帯保証人間に、分別の利益は認められない!

同一の債務に対して、保証人が数人いる場合を共同保証といいます。各保証人は債務額を
保証人の頭数で割った額についてのみ保証すればよく、これを分別の利益といいます。
しかし、連帯保証人には、この分別の利益は認められません。連帯保証人が何人いようとも、
各連帯保証人は
主たる債務全額について保証の責任を負わなくてはいけません。

つまり債権者は、連帯保証人が複数いる場合、誰に対しても主たる債務の全額を請求できる
のです。



■連帯保証人に生じた事由の効力

通常の保証の場合、保証人について生じた事由の効力は、
弁済などの
主たる債務を消滅させる行為以外は、主たる債務者に影響を及ぼしません。

しかし連帯保証人は、主たる債務者と同列で債務を保証しています。

そこで連帯保証人に次の事由が生じた場合には、主たる債務者にも影響を及ぼします。


・連帯保証人による債務の
履行(弁済・代物弁済など)
→主たる債務者の債務も消滅(通常の保証も同じ)

・債権者が、連帯保証人に対して
履行の請求をした
→主たる債務者にも時効中断、履行遅滞の効果が発生

・連帯保証人と債権者との間での
更改相殺
→更改:新しい債務を成立させて、前の債務を消滅させること

・連帯保証人と債権者との間の
混同
→弁済とみなされる


以上、「履行」「履行の請求」「更改」「相殺」「混同」という5つのキーワードを、
頭の中に叩き込んでおいてください。

これ以外の連帯保証人について生じた事由は、主たる債務者に効力を及ぼしません。


連帯債務者の一人に生じた事由が他の債務者にも影響を及ぼす場合として、上記の5つの他に、「時効」と「免除」が加わります。


知って得するとても重要な注意点です。

主たる債務者にも影響が及ぶ時効中断事由は、上記2つ目の「履行の請求」のみです。
たとえば、連帯保証人が債務の承認をしても、主債務の時効には何の影響も与えません。

しかし!連帯保証には附従性があります。

逆に主たる債務者が債務を承認した場合には、

連帯保証人にも時効中断の効果が及ぶ
のですね。